生まれ変わった鼻血ブー

信長正義の現在、過去、未来。

アセンション(次元上昇)するリアルでゲームのような夢を見た②

すぐに異変に気がついた

はじめは目眩なのかと思ったが
全体が激しく揺れていた

普通に立ってはいられないほどで
しかも実際に頭の中は
ぐるぐると螺旋に渦巻くようで
尋常ではなかった

仲間も同様に悲鳴を上げながら
平衡を保つのに必死の様子で
その先の壁のくり抜きからは
砂浜と海が見えた


その瞬間に
視界にノイズが入ったように
ややピントがずれてぼやけ
静止画になった

視界だけが止まった

まさに電波状態の悪い
テレビ放送が事故でストップして
その静止画面がそのまま
目に貼り付いた様な感覚だった

視覚以外はこの異変を
リアルに感じ続けていて
立っているのに必死で
原因不明の目眩の中で
自分のあげる声と
周囲の悲鳴を受けとっていた

視界は
海の青が写り込んだ静止画のまま
目を開けてても閉じても同じで
それが一層不安を煽った

少しずつ歩幅を移し壁を探り
くり抜きの端からドームの外へ出た

状況を冷静に把握したかったが
首を振り前後左右を見渡しても
目には画像が貼り付いたままだ

どうやら巨大な地震が起きている
そのくらいは理解出来たが
頭の中を螺旋状に渦巻く
目眩の正体はそれに一致しない

大地だけが揺れているのではなく
空間全体に変化が起こっている
そう感じていた

そしてその螺旋は
全身を取り巻くようになり
身体ごと天に
引き上げられる感覚に変わった

「あー、これ
 死ぬ夢と同じやつだ」

死ぬ夢は
その夢の世界で死ぬ事になって
「あ〜、死んだぁ・・・」
となって眠る様な感覚になったら
筒状の中を螺旋状に
ドリル式に回転しながら
ズリズリズリっと渦巻き通り抜け
現実の布団の中の自分に戻る

「とにかく、
 この世界は終わるんだ」

そう想いながら
渦巻きに巻き込まれた状態のまま
感覚的に海が見えた方向へ
ゆっくり一歩一歩進むのはできた

仲間がどうしているか気になった

「仲間を助けたい」
本気でそう思った

すると
目は静止画像のままのはずなのに
ドームの外の海側の
砂浜になっているところに
仲間が全員いるのを感じた

仲間の状況が
手に取るように感じられた

全員が同様に視界がないようで
初めて知る恐怖に呑込まれていた

何をどうすれば良いのか
訳もわからぬまま思わず

「みんな、
 ここに輪になろう!」

喧噪の中そう呼びかけたら
全員そこに集まって
円陣を組む形になった

全員がそれぞれの肩に腕をまわし
そうすると動揺が静まり
いわゆる一体化する感覚になった

ほどなく地面の揺れと
身体ごと何かに巻き込まれていく
それまでの感覚がなくなり
自分たちがまだ生きていて
無事ここにいるのを強く感じた

「わぁーっ!」

全員が大声と一緒に
真っ青な空に届くほど
高く両腕を振り上げ歓喜した

小さい子どもは
まるで空中に2〜3メートル程
跳ね上がっているようだった

するとそれも束の間
左手の方から
ゴーっという低い唸りが聴こえて
それは白い大きな波で
陸へ向かってくる音だとわかった

津波だっ」

とっさに振り返ると
緩やかな坂の上の丘の
高さはないが
横長に広く見える茶色で
古いヨーロッパ風建物に気付いた

「みんなあそこまで移動しよう」

ぼくがそう呼びかけると
牡羊座のおじさんが
先頭をきって歩き始めて
みんながそれに続いた

全員
我先に焦って走る
ということはしなかった

ぼくは
女の人と並んで一番後ろを
皆んなの様子を伺いながら登った

登っている間
後ろを振り返るものは
一人もいなかった

ぼくも
心穏やかに歩いてた

丘の傾斜が緩やかになり
建物の壁沿いから中に入る
扉のない入口手前に石段があって
片足を掛けたら
その時初めてハッと気がついた

「目が見えてる」

思わずそう呟いて
左の女性の方を見た

その人も頷きながら
同じことを考えているのがわかった

そして
天上から降りてくる様に
もう一つのことが鮮明にわかった

アセンションだったんだ」

「合格」
どこかからか聴こえてきた
というか全身に響いた



「仲間を助けたい」
自分の世界が終わる
そうわかってからも思った
本気でそう思った

実は
その時から周囲が見え始めていて
自分の生死は忘れていた

みんなと円陣を組んだら
光が強くなり
色彩が鮮やかに感じられた

そして
自分とそれ以外を隔てている
緊張したいつもの感覚が
全くなくなっていたと思う

それは
ライブで何回かに一回感じる
一体感に似ていた

自分の身体とそれ以外の境目が
なくなる感覚だ

ライブではぼくが主導し
描いた時間と空間を
音の波動で充たす

バラバラの思考で緊張し
個に凝り固まった「我」の格子を
「自由になる為に余分である」
とか
「自分を守る為に必要な砦だ」
とか思い巡らす間もなく外し
調和する

それが次元上昇なのだ

4次元までは頻繁に上昇出来る
肉体が朽ちるに従い
時間的に物質的に「我欲」が
なくなってしまえば
3次元に居続けることが出来ず
上昇せざるを得ない

問題は
肉体があるうちに4次元を知り
物質世界の中で
他の存在が自主的に苦痛なく
4次元に上昇するその手助けを
自分の時間を投げ出し行なえるか
それが試されているのだ

そしてぼくは
そのゲームをクリアし
5次元に入る扉が開かれ
「神」の仲間入りを果たしたのだ



一瞬のうちに
そんな感慨に浸りながら
建物の廊下に足を踏み入れていた

もう陽が当たらなくなった仲間の
ぼくを忘れただろう背中が見える

だんだんと意識をこの世界に戻し
いつもの布団の中で目を開けた

そういう夢だった… (完)